地球との共存
Co-living with the Earth
地球と共に、持続可能に生きる

温暖化による災害の激甚化や、経済活動による環境汚染が深刻化しています。人と地球が調和し持続できる関係を築くには?
課題に挑むディープテック
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CO₂観測・可視化
CO₂観測・可視化は、衛星や地上センサーで大気中の濃度を測定し、都市や産業エリアの排出や森林・農地による吸収を見える化できます。これにより、排出取引やカーボンクレジットの信頼性を支える基盤となり、科学的に裏付けられた削減行動を促す手段として活用が広がっています。観測と可視化を一体で行うことが、持続可能な社会への移行を後押ししています。
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CCUS
CCUSは、排出されたCO₂を回収し、資源として利用する、または地中に貯留する技術です。発電所や工場の排ガスから化学吸収や膜分離で取り出すほか、空気から直接回収する試みも進んでいます。利用ではCO₂を原料に合成燃料や化学品を生み出す手法や、コンクリートに固定して建材に活かす方法があります。貯留は、帯水層や枯渇した油田・ガス田に圧入して長期に封じ込めます。CCUSは、削減が難しい産業の脱炭素を支える基盤技術です。
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カーボンフリー電力
カーボンフリー電力は、発電時にCO₂を排出しない電力です。太陽光では軽量で高効率なペロブスカイト太陽電池の開発が進み、風力では洋上や浮体式タービンによる大規模発電が広がっています。波力や潮流といった海洋エネルギーの研究も進み、次世代の再生可能エネルギー源として注目されています。さらに核融合発電の研究も進展しており、将来のクリーン電源として期待されています。多様な電源を組み合わせることで、社会全体の脱炭素を支える基盤が築かれています。
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プロセスの脱炭素化
鉄鋼や化学、セメントなど産業プロセスは、大量のエネルギーを消費しCO₂を排出します。これを脱炭素化するために、加熱や製造工程を電力に置き換える電化が進んでいます。製鉄では電炉や水素還元製鉄の研究が進み、化学分野では再生可能エネルギー由来の電気で反応を起こす試みがあります。さらに、廃プラスチックや副産物を新しい製品に変えるアップサイクルの取り組みも広がっています。プロセスの転換は、産業のCO₂削減と資源循環を同時に実現し、持続可能なものづくりを支えます。